こんにちは、コーヒーソムリエの hiro です。
コーヒーの知識を身につけたいと考えたときに、YouTubeやブログなどさまざな情報を取得する手段があります。
今回はそのなかでも書籍を紹介していきたいと思います。紹介する書籍は田口護著の田口護の珈琲大全です。
以前、JSFCA日本安全食料料理協会から認定されるコーヒーソムリエの資格試験に向けての学習にも、おすすめの書籍として紹介させていただきましたが、コーヒーの基礎知識から焙煎の理論などコーヒーの教科書のように解説されています。
コーヒーの知識を深めたい方にはおすすめの書籍です。
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『田口護の珈琲大全』とは
田口護の珈琲大全は NHK出版から 2003年 11月に第 1刷発行された書籍です。定価は本体 2,800 円+税です。
『田口護の珈琲大全』とは
本書籍は、名店カフェ・バッハの店主にして、コーヒー界のパイオニアと呼ばれる田口 護さんが、30年かけて得た知識を集め、一冊にまとめたコーヒーの専門書です。
本書では、コーヒーの基礎知識から焙煎の理論などコーヒーの教科書のように解説されていて、コーヒーの知識を深めることができます。そのため、コーヒーの資格取得に向けた学習にも活用することができます。また、コーヒーを仕事にされている方には本書籍をバイブルとして掲げている方も多くいらっしゃいます。
コーヒー界のレジェンド田口 護さんによる名書です。
「システム珈琲学」とは
本稿は私が30年かけて得たささやかな知見を拾い集め、一冊にまとめたものである。日の下に新しきものなし、と人はいうが、生豆の選定から抽出までの流れを一つのシステムとしてとらえ、各プロセス上に存在する複数の条件によって、さまざまな味が生みだされるメカニズムに着眼したのは、全きオリジナルであると確信している。私はこれを「システム珈琲学」と名づけた。
田口護の珈琲大全(NHK出版)より引用
著者である田口護さんが 30年かけて得た知識を一冊の書籍にまとめたもので、生豆の選定から焙煎、抽出に至るまでの各工程を、職人的なカンの世界ではなく、各工程には法則があり実証性と論理性に基づき筋道を立てて組み立てられた知識を体系化したものがこのシステム珈琲学と称されています。
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著者 田口 護
著者は、名店カフェ・バッハの店主にして、コーヒー界のレジェンド 田口 護さんです。
2000年開催の沖縄サミットでは各国首脳にバッハブレンドを提供し好評を得ました。
経歴
- 1938年 北海道札幌生まれ
- 1968年 東京都台東区日本堤(旧 山谷)で「カフェ・バッハ」を開業
- 1980年 後進指導のため柴田書店(現 柴田書店イータリンク)主催で「コーヒー自家焙煎セミナー」をスタートし現在も更新中
技術と原料の互助のためバッハコーヒーグループを組織 - 2000年 沖縄サミット晩餐館にコーヒー提供
- 2012年 「田口護のスペシャルティコーヒー大全」(NHK出版)で第 3回 辻静雄食文化賞受賞
- 2012年(~2014年) 日本スペシャルティコーヒー協会会長
- 2015年 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」出演
- 現在 カフェ・バッハ店主
(株)バッハコーヒー代表
著者である田口 護さんは、1938年に北海道札幌に生まれ、1968年には現在地に「珈琲バッハ」を開業されています。’72年からは自家焙煎を始められ、コーヒー生産国や欧米など 60余国を回り、栽培から抽出までを学んだとされています。
現在では、バッハコーヒーグループ代表として、後進の指導にご尽力されています。
主な書籍
- 田口護のスペシャルティコーヒー大全(NHK出版)
- コーヒー味わいの「こつ」(柴田書店)
- カフェ開業の教科書 小規模で強い店を作る(旭屋出版)
- カフェを100年、続けるために(旭屋出版)
- カフェ・バッハ ペーパードリップの抽出技術(旭屋出版)
- カフェ・バッハの接客サービス(旭屋出版)
- ビューティフルカフェライフ(旭屋出版)
- プロが教えるこだわりの珈琲(生活実用シリーズ)(日本放送出版協会)
- 珈琲辞典 新装版 この1冊で豆・焙煎・淹れ方がわかる(学研)
などなど、多数の書籍が出版されています。また書籍の出版のほか、NHKテレビ「ためしてガッテン」「生活ホットモーニング」などのメディアにも出演されています。
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『田口護の珈琲大全』の構成と感想
本書籍では 5つの章に渡って珈琲豆の基礎知識から、珈琲豆の焙煎、珈琲の抽出に至るまでの工程が記されています。
- 第1章 珈琲豆の基礎知識
- 第2章 システム珈琲学
- 第3章 珈琲豆の焙煎
- 第4章 小型ロースターによる焙煎
- 第5章 珈琲の抽出
- 参照:田口護の珈琲大全(NHK出版)
けっこうなボリュームで、すべてを身につけることはたいへんなので、傍らに置いて気になる箇所を読み返すほうがいいかと思います。
珈琲豆の基礎知識
第 1章ではコーヒーの三原種(アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種)の特徴から始まり、コーヒーベルトやコーヒー豆の構造、コーヒーの精製法などが解説されています。
例えば、全生産量の 70~ 80%は「アラビカ種」で、「ロブスタ種」は主にインスタントコーヒーや缶コーヒー、リキッドコーヒーなどの工業用コーヒーに用いられ、「リベリカ種」は日本にまったく流通していないことなど、ふだん何気なく飲んでいるコーヒーの品種を知ることができます。
システム珈琲学
焙煎から抽出まで、コーヒーを作る流れをひとつのシステムとしてとらえ、プロセス上に存在する複数の条件によってさまざまな味が創り出されるメカニズムを解明した。このシステムさえ学べば、焙煎も抽出も決してむずかしいものではない。
田口護の珈琲大全(NHK出版)より引用
例えば、「コーヒーは深く煎れば苦くなり、浅く煎れば酸っぱくなる」「高温で抽出すると苦味が強まり、低温で抽出すると酸味が強まる」といった小さな法則が、焙煎から抽出までのプロセス上にはたくさんあります。こうした小さな法則を統合し大法則にしたものがシステム珈琲学であると説明されています。
第 2章では、システム珈琲学に基づき、色や形、型さなどの似た生豆同士を 4つのグループに色分けし、それにふさわしい焙煎法と焙煎度などについて詳しく解説されています。それぞれのコーヒー豆の特性などが記されているため、焙煎の教科書のように活用することができます。
珈琲豆の焙煎
第 3章では焙煎について詳しく解説されています。
コーヒー豆は深く煎れば苦くなり、浅く煎れば酸っぱくなりますが、コーヒー豆にはそれぞれ特性がありその豆にふさわしい焙煎度があります。その特性を最大限引き出す焙煎度に煎り上げ、最上のクオリティを与えることが焙煎の目的と記されています。
コーヒーの「うまい・まずい」は個人の嗜好の問題で議論の土俵にのりにくいが、「よい・わるい」なら明確に規定できる。プロが優先すべきは「よい・わるい」で「うまい・まずい」の議論はその後でいい。
田口護の珈琲大全(NHK出版)より引用
- 欠点豆のない良質な生豆
- 煎りたてのコーヒー
- 挽きたてのコーヒー
- いれたてのコーヒー
著者である田口 護さんは「いいコーヒー」をこのように定義づけています。
すべては田口 護さんの、いかにして高品質のコーヒーを作り、お客さまに対しても自信の持てるコーヒーを出したかったという想いから出発しているように感じます。
小型ロースターによる焙煎
第 4章では、焙煎機の構造や使い方についても解説されています。
よくもわるくもコーヒーの味は焙煎で決まってしまう。ケレンのないオーソドックスな焙煎法を貴重なデータとともに公開する。
田口護の珈琲大全(NHK出版)より引用
ここでは、焙煎機の分類や焙煎機の構造、焙煎機の使い方、焙煎機のメンテナンスまでおしみなく解説されています。また、煎り止めのこつやカップテイストの方法まで詳細に解説されているため、焙煎に興味・関心がある方は一度は読んでいただきたい書籍です。
珈琲の抽出
第5章では、焙煎した豆の挽き方、そして珈琲の抽出器具について解説されています。
正しく焙煎した豆は正しく粉砕し、正しく抽出しなければならない。そこにはさまざな「法則」とテクニックが存在する。「わるいコーヒー」を排し「よいコーヒー」を作るための理論と実践方法を学ぶ。
田口護の珈琲大全(NHK出版)より引用
この章は冒頭、この言葉から始まります。
前章までに「うまい・まずい」は個人の嗜好の問題であるため、プロが優先すべきは「よい・わるい」の視点であることが記されてきましたが、本章・珈琲の抽出の章ではミルの性能や粉のメッシュ(粒度)の性格、そして抽出器具の仕組みとおいしいコーヒーをいれる条件が記されています。「よいコーヒー」を作るための理論と実践方法を正しく学びましょう!
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まとめ | 『田口護の珈琲大全』
田口護の珈琲大全とは、田口護氏が 30年にかけて得た知識を一冊の書籍にまとめたもので、生豆の選定から焙煎、抽出に至るまでの工程が、職人的なカンの世界ではなく、各工程には法則があり筋道を立てて組み立てられた知識の体系として表されています。
本書籍では、コーヒーの基礎知識から焙煎の理論など、コーヒーの教科書のように解説されていますので、コーヒーの資格取得に向けた学習にも活用できますし、またコーヒーを仕事にされている方には、本書籍をバイブルとして掲げている方も多くいらっしゃいます。
コーヒーの知識を深めるには最適な書籍に感じられますので、コーヒーを学びたい方は、ぜひ傍らに置きたい一冊といえますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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